公開日:2026年8月27日 執筆:池田哲郎(中小企業診断士・認定経営革新等支援機関/池田計画合同会社 代表)
「決算書に役員貸付金という科目が載っているのですが、これは何か問題があるのでしょうか」。顧問税理士から指摘されたか、銀行の担当者に一言触れられたか。そういうきっかけでご相談に来られる社長さんが、毎年何人かいらっしゃいます。多くの場合、金額は数百万円。そしていつからそうなったのか、社長自身がはっきり覚えていない。これが役員貸付金という科目の厄介なところです。
結論から言えば、役員貸付金とは、会社が社長などの役員個人に貸したお金が、返済されないまま貸借対照表の資産に残っている状態のことです。会社から見れば「役員に対する債権」ですが、銀行はこれを回収の見込みが乏しい資産として扱い、純資産から差し引いて会社の実力を見直すことがあります。融資の場面でだけ、この一行が実際の金額以上の重さを持ちます。
私は元銀行員で法人融資の審査に携わり、いまは中小企業診断士・認定経営革新等支援機関として、山梨を中心に融資や経営改善のご相談に乗っています。審査をしていた頃、決算書を受け取ってまず開いていたのが、実は損益計算書ではなく勘定科目内訳明細書でした。役員貸付金は、そこに社長の名前とともに載ってきます。
この記事では、税務上の処理よりも「銀行から見るとこの一行がどう見えるのか」に軸を置いて整理します。あわせて、無利息のまま放置したときに課税される認定利息の利率が、令和8年に0.9%から変わっている点も、国税庁の一次資料で確認して示します。ここは解説記事の多くが追いついていないところです。
役員貸付金とは?会社が役員個人に貸したお金が資産に残っている状態のこと
役員貸付金は、会社が社長・取締役などの役員にお金を貸したときに使う勘定科目です。貸借対照表では資産の部(短期貸付金または長期貸付金)に計上されます。逆に、社長が会社にお金を貸している場合は役員借入金となり、こちらは負債の部に載ります。向きが正反対なので、まずここを取り違えないようにしてください。
| 項目 | 役員貸付金 | 役員借入金 |
| お金の流れ | 会社 → 役員 | 役員 → 会社 |
| 決算書の位置 | 資産の部(貸付金) | 負債の部(借入金) |
| 会社にとって | 役員に対する債権 | 役員に対する債務 |
| 銀行から見た論点 | 回収できるのか(資産性) | 返済を求められないか(資本性) |
| 相続が起きたとき | 相続人が返済義務を引き継ぐ | 相続財産(貸付金債権)になる |
金額の大小にかかわらず、役員貸付金があること自体は違法でも何でもありません。会社が役員に金銭を貸すことは会社法上も想定されており、取締役会(取締役会を置かない会社では株主総会)の承認を得れば成立します。問題は、それが返済されないまま何年も資産に居座ったときに起きます。
役員貸付金は、なぜ知らないうちに増えるのか?
ご相談を受けていて多いのは、社長が「借りたつもりがない」ケースです。実際には、次のような処理の積み重ねで残高が育ちます。
- 領収書のない支出を仮払金で処理し、精算されないまま貸付金に振り替えた(接待費や出張費で、後から領収書が出てこなかった分)
- 会社の口座から個人の支払いを直接引き落としている(保険料、住宅ローン、クレジットカードの個人利用分)
- 役員報酬を下げた年に、生活費を会社から引き出した(業績が悪い年ほど起きやすい)
- 個人事業から法人成りしたときに、区別が引き継がれなかった
いずれも、その場では数万円から数十万円です。ところが精算のルールがないと、これが毎月積み上がる。3年で数百万円というのは、ごく普通に起こります。
もうひとつ、決算書の科目が実態を映していないパターンにも注意が必要です。ある建設資材業の会社で決算書を拝見したとき、毎月15万円が「役員借入金の返済」として処理されていました。実際に何に使われていたかを確認すると、亡くなったお父さまの保証債務を、社長が保証人として外部に返済し続けているお金でした。会計事務所が前年の処理を踏襲していたためで、悪意はありません。それでも年間180万円が外部に出ていく事実は決算書のどこにも書かれておらず、金融機関にはこのパターンが見抜かれます。役員勘定は、会社と個人の境目が曖昧になったときに真っ先に濁る場所なのです。
銀行は決算書のどこで役員貸付金を見つけるのか?
「金額が小さければ気づかれないのでは」と考える方がいますが、これは制度上むずかしいと申し上げています。理由は、法人税の申告書に添付する勘定科目内訳明細書にあります。
このうち「貸付金及び受取利息の内訳書」の記載要領(国税庁・令和6年3月1日以後終了事業年度分)には、次のように定められています。
貸付先別期末現在高が50万円以上のものについては各別に記録し、その他は一括して記録してください。
貸付先が「役員、株主又は関係会社」のものについては、期末現在高が50万円未満であっても全て各別に記録してください。また、「期末現在高がないものであっても期中の受取利息額(未収利息を含みます。)が3万円以上」のものについては、各別に記録してください。
つまり相手が役員である限り、残高が50万円未満でも一件ずつ名前を挙げて書く決まりです。しかもこの内訳書の記録項目には、貸付先の名称と所在地に加えて「法人・代表者との関係」「期末現在高」「期中の受取利息額」「利率」「担保の内容」まで並んでいます。融資の申込みでは決算書一式(申告書の控えを含む)の提出を求められるのが通例ですから、銀行の担当者はこの表を見ることになります。利息を取っているかどうかも、担保があるかどうかも、そこに書いてあるわけです。
正直に言えば、審査の実務では、この内訳書が決算書本体より雄弁なことがよくありました。貸借対照表の「短期貸付金 480万円」は無機質な数字ですが、内訳書には「代表取締役 ○○○○ 480万円 利率0% 担保なし」と書いてある。同じ事実でも、後者は読み手の印象がまるで違います。
なぜ役員貸付金があると融資が通りにくくなるのか?
ここが本題です。上位に出てくる解説記事の多くは「金融機関からの評価が下がる」「融資を受けにくくなる」と書いて終わっていますが、経営者の方が知りたいのはその先の「どういう仕組みで、どのくらい」のはずです。
銀行は融資先を正常先から破綻先までの区分に分けて管理しており、その前提として自己査定を行います。金融庁が公表している「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」(令和元年12月)には、この査定の考え方が次のように書かれています。
貸出先の信用状態を評価するに際して、貸出先が保有する債権の回収可能性や資産の含み損を考慮し、実質的に債務超過状態に陥っているかどうかを把握することは重要である
役員貸付金は、まさにここでいう「貸出先が保有する債権」です。返済の実績も計画もない役員貸付金は、回収可能性が低い債権として、純資産から差し引いたうえで会社の実力が測られます。数字にするとこういうことです。
| 項目 | 決算書の額面 | 役員貸付金を控除した実質 |
| 資産合計 | 5,000万円 | 4,520万円 |
| 負債合計 | 4,700万円 | 4,700万円 |
| 純資産 | 300万円(債務超過ではない) | △180万円(実質債務超過) |
役員貸付金480万円を差し引いただけで、黒字の債務超過ではない会社が実質債務超過に反転しました。額面の純資産が薄い会社ほど、役員貸付金の一行が結論をひっくり返す——これが「評価が下がる」の中身です。区分そのものの仕組みは「債務者区分とは」で詳しく整理していますので、自社の現在地を確かめたい方はあわせてご覧ください。
ただし、実質債務超過になったからといって自動的に区分が下がるわけではありません。同じ金融庁の文書には、中小零細企業については「当該企業の技術力、販売力や成長性、代表者等の役員に対する報酬の支払状況、代表者等の収入状況や資産内容、保証状況と保証能力等を総合的に勘案し、当該企業の経営実態を踏まえて判断する」と明記されています。役員貸付金の裏に社長個人の十分な資産があり、返済の裏づけが示せるなら、評価は変わり得るということです。ここは説明の仕方で結果が動く領域です。
もうひとつ、見落とされがちな影響があります。経営者保証を外す交渉が難しくなることです。経営者保証に関するガイドラインが求める要件の柱は「法人と経営者の資産・経理が明確に区分されていること」で、役員貸付金はその区分ができていない証拠として真っ先に挙がります。詳しくは「経営者保証を外すには」で解説しています。
役員貸付金は、いくらまでなら許容されるのか?
よく聞かれる質問ですが、公的に定められた上限はありません。「純資産の何%まで」「月商の何か月分まで」といった基準が世の中に出回っているわけでもありません。そのうえで、私が相談の場で使っている見方をお伝えします。金額の絶対額ではなく、何年で消えるのかで見るやり方です。
計算は単純で、役員貸付金の残高を、社長が年間に返済に回せる金額で割ります。返済に回せる金額は、役員報酬の手取りから生活費と税・社会保険を引いた残りです。
| 解消までの年数 | 銀行に対する説明のしやすさ |
| 3年以内 | 返済計画として説明できる水準。回収可能な債権として扱ってもらえる余地が大きい |
| 3〜7年 | 計画書と実際の返済実績(通帳の入金記録)を毎期示せるかどうかで評価が分かれる |
| 7年超・算定不能 | 事実上「返ってこない資産」。控除される前提で組み立てたほうが早い |
この線引きは公的な基準ではなく、私が審査と支援の現場で使ってきた目安です。それでもお伝えしているのは、金額を見て青くなるより、年数に直したほうが打つ手が決まるからです。残高500万円でも、年150万円ずつ返せるなら3年ちょっとの話。残高200万円でも、返済原資がゼロなら永久に消えません。銀行が気にしているのも、金額そのものより後者のほうです。
なお、役員報酬をいくらに設定すれば返済原資が生まれるのかは、会社側の資金繰りとの綱引きになります。会社の資金繰りに余裕がないまま役員報酬だけ増やせば、今度は会社が回らなくなる。両方を並べて見るには「資金繰り表の作り方」で配布している月次の表が使いやすいはずです。
役員貸付金の解消は、着手から結果が出るまでに数年かかる種類の課題です。だからこそ、銀行に指摘されてから動くのではなく、指摘される前に道筋を作っておくほうが選べる手が多く残ります。数字を並べて現実的な年数を出すところまでなら、初回無料の相談でも十分お話しできます。
無利息のままだと何が起きるのか?認定利息の利率は令和8年に1.3%へ
会社が役員に無利息でお金を貸していると、本来受け取るべき利息の分だけ役員が経済的な利益を受けたことになり、給与として課税されます。実務ではこれを認定利息と呼びます。
利率の決め方は、所得税基本通達36-49に定めがあります。原文はこうです。
使用者が役員又は使用人に貸し付けた金銭の利息相当額については、当該金銭が使用者において他から借り入れて貸し付けたものであることが明らかな場合には、その借入金の利率により、その他の場合には、貸付けを行った日の属する年の租税特別措置法第93条第2項《利子税の割合の特例》に規定する利子税特例基準割合による利率により評価する。
ポイントは「貸付けを行った日の属する年」で利率が決まるところです。そして、その利子税特例基準割合は毎年見直されます。国税庁が公表している数字は次のとおりです。
| 貸付けを行った年 | 利率(利子税特例基準割合) |
| 令和3年中 | 1.0% |
| 令和4年〜令和7年中 | 0.9% |
| 令和8年中 | 1.3% |
令和4年から4年続いた0.9%が、令和8年に1.3%へ上がりました。金利のある世界に戻った影響がここにも出ています。国税庁のタックスアンサー「No.2606 金銭を貸し付けたとき」は令和7年4月1日現在の法令等にもとづく版で、令和7年中までの利率しか掲載されていません(2026年8月時点)。「0.9%」とだけ書いてある解説記事を見かけたら、いつの年の貸付けの話かを確かめてください。古い年次のまま残っている記事も見かけます。
ただし、次の3つのどれかに当たれば給与として課税しなくてよい、という取扱いも同じタックスアンサーに示されています。
- 災害や病気などで臨時に多額の生活資金が必要になった役員・使用人に、合理的と認められる金額・返済期間で貸し付ける場合
- 会社の借入金の平均調達金利など、合理的と認められる貸付利率を定めてその利率で貸し付ける場合
- 上記以外の貸付金で、本来の利率で計算した利息と実際に払う利息の差額が1年間で5,000円以下である場合
3つめが実務でよく使われます。利率1.3%で差額5,000円以下となる残高はおよそ38万円ですから、少額の貸付けはこの範囲に収まることも多いはずです。逆に言えば、数百万円の残高を無利息で放置していれば、毎年きちんと課税対象が発生しているということになります。税務上の具体的な処理は顧問税理士の領域ですので、金額の計算と申告の実務はそちらでご確認ください。この記事でお伝えしたいのは、放置しているつもりでも毎年コストが積み上がっている、という一点です。
役員貸付金を消す6つの方法は、銀行から見るとどう違うのか?
解消方法そのものは、どの解説記事にもほぼ同じものが並んでいます。ただ、並列で列挙されているだけで優先順位がついていないのが実情です。銀行がそれぞれをどう見るかまで含めて整理すると、選び方が変わります。
| 方法 | 内容 | 銀行から見た評価 |
| 1. 役員報酬から毎月返済する | 報酬の手取りから決まった額を会社に返す | 最も評価される。通帳に毎月の入金実績が残り、回収可能な債権であることを数字で示せる |
| 2. 役員報酬を増額して返済に充てる | 報酬を上げ、増えた分を返済に回す | 1と同じく評価される。ただし手取りは額面ほど増えない(下記の注意点を参照) |
| 3. 役員借入金と相殺する | 社長が会社に貸している分と差し引きする | 両建てが消えて決算書はすっきりする。ただし負債も同時に減るため純資産は動かない |
| 4. 個人資産を会社に売却する | 社長名義の不動産・車両などを会社に譲渡し代金と相殺 | 時価での売買であることが前提。事業に不要な資産を持ち込めば、今度はその資産の評価が問われる |
| 5. 役員退職金と相殺する | 退任時の退職金支給額と相殺する | 一気に消せるが、退任まで待つ必要がある。今の融資交渉には間に合わない |
| 6. 会社が債権を放棄する | 返済を免除して貸倒処理する | 最も評価されない。放棄した額は役員の給与とみなされて課税され、会社側も損金にできないのが原則 |
6の債権放棄は、帳簿上いちばん早く消える代わりに代償が大きい方法です。債務の免除を受けた金額が経済的な利益に当たることは所得税基本通達36-15(5)に明記されており、会社側では役員給与として損金不算入になるのが原則です。税金を払って消すと理解してください。
そして、2の「役員報酬の増額」には見落とされがちな制約が2つあります。ひとつは時期です。役員報酬を損金に落とすには定期同額給与に該当する必要があり、その改定は原則として会計期間開始の日から3か月を経過する日までに行わなければなりません(国税庁「No.5211 役員に対する給与」)。期の途中で思い立っても、原則としてその期には動かせません。しかも減額の特例として認められる業績悪化改定事由についても、国税庁は「法人の一時的な資金繰りの都合や、単に業績目標値に達しなかったことなどはこれに含まれません」と注記しています。
もうひとつは手取りです。役員報酬を月10万円増やしても、所得税・住民税と社会保険料の本人負担が乗るため、返済に回せる手取りはおおむね6〜7万円程度になります。さらに会社側にも社会保険料の会社負担が発生します。額面の増加分がそのまま返済原資になる、という計算で年数を出すと必ず外れます。ここは実際の給与明細で試算してから決めてください。
役員貸付金がある決算書を、銀行にどう説明すればよいのか?
最後に、いま現に残高がある状態で融資の相談に行く場合の構えについて。
私が経営改善のご支援でいつもお伝えしているのは、弱みは自分から全部並べる必要はないが、聞かれたら即答できる状態にしておくということです。まず事業の回復の道筋やキャッシュフローの改善傾向を見せて、全体の文脈を作る。そのうえで役員貸付金について質問が出たら、経緯と対策を端的に答える。この順番です。
ただし「答えられる準備」は万全にしておく必要があります。具体的には、次の3つを紙にしてから行ってください。
- 発生の経緯。いつ、何が原因で積み上がったのか。仮払金の未精算なのか、生活費の引き出しなのか
- 再発防止。精算のルールをどう変えたか。会社の口座から個人の支払いを引き落とすのをいつ止めたか
- 解消の計画。毎月いくら返し、何年で消えるのか。すでに返済を始めているなら通帳の実績
3つめまで揃えば、役員貸付金は「回収の見込みが乏しい資産」から「返済計画のある債権」に位置づけが変わります。銀行が知りたいのは残高そのものではなく、この会社が会社と個人のお金を分けて管理できるようになったかどうか、です。逆に、聞かれて口ごもったり、「税理士に任せているので分かりません」と答えたりすると、金額以上に印象を損ないます。
すでに返済が苦しく、借入の条件変更も視野に入っている段階であれば、「リスケとは」もあわせて読んでおいてください。役員貸付金を残したままリスケの相談に入ると、必ずここを指摘されます。決算書全体をどう読まれるかを整理したい方には「経営分析のやり方」が入口になります。
役員貸付金についてよくある質問
役員貸付金にメリットはありますか?
会社にとってのメリットは、正直に言えばほとんどありません。利息を取れば会社の益金が増えて法人税の対象になり、取らなければ役員側で給与課税されます。どちらに転んでも税負担が増える構造です。役員個人にとっては、金融機関から借りるより手続きが早く担保も不要という利便性はありますが、その利便性の代償を会社の決算書が負っている、というのが実態に近いと思います。臨時の立替払いを一時的に計上し、翌月の報酬から精算する、この使い方に留めるのが現実的な落としどころです。
会社を解散・清算するとき、役員貸付金はどうなりますか?
清算手続きでは、会社が持つ債権として回収の対象になります。役員が返済すれば会社に現金が入り、残余財産の分配原資になります。返済できずに放棄する場合は、通常の債権放棄と同じく役員側で経済的な利益として扱われるのが原則です。会社をたためば消えるものではありません。清算の場面は税務・法務の論点が絡み合うため、税理士・司法書士と早めに段取りを組んでください。
社長が亡くなったら、役員貸付金は誰が返すのですか?
役員個人の債務ですので、相続人が返済義務を引き継ぎます。会社側では債権として残り続けます。ご家族に事業と無関係な方がいる場合、想定していなかった債務を引き継がせることになりかねません。事業承継の準備を始める段階では、株式の所在と並べて役員勘定の残高を確認しておくことをおすすめします。相続税の計算上どう扱われるかは個別事情で変わるため、税理士にご確認ください。
役員貸付金に時効はありますか?
債権である以上、消滅時効の考え方自体は存在します。ただし、時効を当てにする発想はおすすめしません。会社の代表者が自社に対する自分の債務について時効を主張する形になり、他の株主や取引金融機関から見たときに説明のつかない構図になるためです。法的な評価は個別性が高いので、そこを争点にしたい場合は弁護士にご相談ください。
顧問税理士から「役員貸付金は問題ない」と言われているのですが、放置してよいのでしょうか?
税務上の処理としては、認定利息を適正に計上していれば問題がない、というご説明だと思います。それ自体は正しいはずです。ただし税務上の適正さと、金融機関から見た資産性は別の物差しです。税務調査で指摘されない状態であることと、融資審査で資産から控除されないことは、同じではありません。融資や経営者保証の相談を控えているなら、税務とは別に一度整理しておく価値があります。
役員貸付金は、消えるまでに時間がかかる分だけ、早く着手した人ほど選択肢が残る課題です。当社は決算書を審査する側にいた元銀行員として、残高の発生経緯を整理し、何年で消せるのかを数字にして、銀行にどう説明するかまで一緒に組み立てています。まずは融資・資金調達の支援サービスをご覧いただき、無料相談はこちら(お問い合わせフォーム)からお気軽にご連絡ください。
監修:池田哲郎。八十二銀行で法人融資の審査・経営改善支援に従事し、事業計画や決算を「審査する側」として100件超を見てきた経験を持つ。現在は中小企業診断士・認定経営革新等支援機関として、山梨県で融資・補助金・経営計画の支援を行う。本記事の制度情報は、国税庁「No.2606 金銭を貸し付けたとき」(令和7年4月1日現在法令等)、国税庁「所得税基本通達36-49(金銭の貸付けにより受ける経済的利益の評価)」、国税庁「同36-15(経済的利益)」、国税庁「延滞税の割合」(利子税特例基準割合)、国税庁「No.5211 役員に対する給与」、国税庁「勘定科目内訳明細書の標準フォーム等(令和6年3月1日以後終了事業年度分)」の記載要領、金融庁「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」(令和元年12月)の公表内容(2026年8月27日確認)に基づきます。税務上の個別の取扱いは顧問税理士に、法的な評価は弁護士にご確認ください。
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