公開日:2026年2月19日 最終更新:2026年7月12日 執筆:池田哲郎(中小企業診断士・認定経営革新等支援機関/池田計画合同会社 代表)
山梨県の中小企業が使える補助金は、大きく「国の補助金」「山梨県独自の補助金」「やまなし産業支援機構の助成」「厚生労働省の助成金」の4つに分けられます。代表例は、ものづくり補助金と新事業進出補助金が統合された新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(最大7,000万円)、小規模事業者持続化補助金(最大250万円)、山梨県の省エネ補助金(補助率2/3)、賃金アップ環境改善補助金など。ここでは2026年度に申請できる主要な制度を、早見表と一覧で整理します。
「うちの会社でも使える補助金って、何かありますか?」
山梨県内の中小企業の経営者の方から、最も多くいただくのがこの質問です。答えはほぼ間違いなく「あります」なのですが、問題は制度の数が多すぎて、自社に合うものを見つけるのが大変だということです。
国の補助金だけでも毎年数十種類が公募され、それに加えて山梨県独自の補助金、やまなし産業支援機構の助成事業、厚生労働省の助成金、さらには市町村ごとの支援策まであります。しかも年度ごとに名称や要件が変わるため、昨年の情報がそのまま使えるとは限りません。
この記事では、2026年度に山梨県の中小企業が活用できる主要な補助金・助成金を、国の制度/県の制度/産業支援機構の事業/厚労省の助成金の4つに分類して一覧にまとめました。「結局うちはどれを使えばいいのか」を判断するための早見表としてお使いください。
山梨県の補助金一覧【早見表】
まず全体像を一覧で示します。金額・補助率は2026年時点の代表的な値で、公募回によって変わります。各制度の詳細は本記事の後半で解説します。
| 制度名 | 主な用途 | 補助上限 | 補助率 | 区分 |
|---|---|---|---|---|
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 設備投資・新製品開発・新分野進出 | 750万〜7,000万円(枠・従業員数による) | 1/2〜2/3 | 国 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 販路開拓・広告・HP | 50万〜250万円 | 2/3〜3/4 | 国 |
| 中小企業省力化投資補助金 | 人手不足の自動化 | 200万〜1億円 | 1/2〜2/3 | 国 |
| デジタル化・AI導入補助金 | 既製ITツール・AI導入 | 5万〜450万円 | 1/2〜2/3 | 国 |
| 事業承継・M&A補助金 | 事業承継・M&A | 枠により異なる | 1/2〜2/3 | 国 |
| 省エネ・再エネ設備導入補助金 | LED・空調・太陽光等 | 15万〜600万円 | 2/3(福祉3/4) | 山梨県 |
| 賃金アップ環境改善補助金 | 賃上げ+労働環境改善の設備投資 | 1事業場130万円(上乗せ時260万円・複数事業場合計1,600万円) | 4/5(一部地域9/10) | 山梨県 |
| 生産性向上設備整備等支援補助金 | 生産性向上の設備 | 合計335万円 | 2/3(特定3/4) | 山梨県 |
| 業務改善助成金 | 賃上げ+生産性向上 | 制度による | 3/4〜 | 厚労省 |
2026年度の申請カレンダー──いま受付中の補助金はどれか
2026年7月時点で山梨県の中小企業が「いま申請できる(受付中)」のは、省力化投資補助金・一般型(第7回)、事業承継・M&A補助金(15次)、デジタル化・AI導入補助金、山梨県の省エネ補助金・生産性向上補助金・賃金アップ環境改善補助金です。補助金は公募回ごとに受付期間が決まっているため、金額や補助率より先に「今その制度が開いているか」を確認するのが出発点になります。下表は各制度の直近の公募回と受付状況をまとめたものです(2026年7月9日時点。締切は各公式サイトで必ず最新をご確認ください)。
| 制度名 | 直近の公募回 | 2026年7月時点の状況 | 区分 |
|---|---|---|---|
| 省力化投資補助金(一般型) | 第7回 | 受付中(2026年7月1日〜7月31日17:00) | 国 |
| 省力化投資補助金(カタログ注文型) | 随時 | 随時受付中(2027年3月末頃まで) | 国 |
| デジタル化・AI導入補助金(通常枠) | 2026年度 | 受付中(1次締切2026年7月21日17:00・以降も複数回) | 国 |
| 事業承継・M&A補助金 | 15次 | 受付中・締切間近(〜2026年7月24日17:00) | 国 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 第20回 | 受付前(2026年11月5日〜12月15日17:00予定) | 国 |
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 第1回 | 公募中(6月29日公募開始。申請受付は2026年8月31日〜9月30日18:00、採択発表12月頃予定) | 国 |
| 山梨県 省エネ・再エネ設備導入補助金 | 第7次 | 受付中(〜2026年7月31日・延長後。予算到達で早期終了) | 山梨県 |
| 山梨県 生産性向上設備整備等支援補助金 | 令和8年度 | 受付中(〜2026年7月31日・延長後。予算到達で早期終了) | 山梨県 |
| 山梨県 賃金アップ環境改善補助金 | 令和8年度 | 受付中(環境改善コース 〜2026年8月31日予定。先着順・予算到達で早期終了) | 山梨県 |
| 業務改善助成金 | 令和8年度 | 受付前(2026年9月1日 受付開始予定) | 厚労省 |
ポイントは2つあります。1つは、山梨県独自の省エネ補助金・生産性向上補助金がどちらも予算上限に達し次第で終了すること。7月末が締切(延長後)ですが、それを待たず埋まる年もあります。もう1つは、これまで製造業でおなじみだった「ものづくり補助金」は第23次(2026年5月締切)で単独の公募を終え、後継の「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に一本化された点です。設備投資を考えている方は、この新制度の第1回(8月末受付開始)が当面の主戦場になります。詳しくは統合された3つの枠と申請の流れを解説した記事もあわせてご覧ください。
山梨県の中小企業が「まず確認すべき」補助金の選び方
補助金は「有名だから」「金額が大きいから」で選ぶと外します。最初に見るべきは、①投資の規模、②投資の目的、③自社の補助率条件(賃金水準)の3つ。この順で絞ると、候補は自然と1〜2個に決まります。
私は前職の金融機関で法人融資の審査を担当していました。念のため書いておくと、融資審査と補助金審査は目的も基準も別物です(融資は返済できるかどうか、補助金は政策的な意義と計画の実現性を見る)。ただ一点だけ共通するのは、「計画の数字に根拠があるか」を審査する側が必ず見るということ。補助金選びも、この「数字から入る」姿勢が結局いちばんの近道です。数字の作り方は収支計画書の書き方の記事でも具体的に解説しています。補助金の申請では、その数字を審査員に伝わる形でまとめた補助金の事業計画書の書き方が採否を大きく左右します。
投資規模から逆算して枠を決める
まず「いくら投資するか」を先に決め、その金額帯に合う制度を選びます。実際のご相談でも、投資額をうかがった時点で候補はほぼ絞れます。投資額と回収の見通しを事前に整理しておきたい方は、財務モデルの作り方も参考にしてください。
| 投資規模(税抜) | 主な候補 | 補助上限の目安 |
|---|---|---|
| 1,500万円以上 | 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金/省力化投資補助金(一般型) | 数千万円規模 |
| 300万〜1,500万円 | 省力化投資補助金(一般型・カタログ)/県の生産性向上・省エネ補助金 | 制度による |
| 75万〜300万円 | 小規模事業者持続化補助金/デジタル化・AI導入補助金 | 50万〜450万円 |
| 数十万円〜 | 市町村の補助金/県の生産性向上補助金(会計ソフト・PC等15万円〜) | 数十万円 |
気をつけたいのが、投資額が700万〜1,000万円と中途半端な帯です。大型補助金の下限(新事業進出は下限750万円)には届いても要件が重く、小型補助金では上限に収まらない「エアポケット」にはまりがち。この場合は、投資を1,500万円まで引き上げられるか、あるいは持続化補助金と市町村の補助金を別名目で組み合わせられるかを検討します。手間は増えますが、複数の制度を積み重ねるのは実務では珍しくありません。
投資の「目的」で絞る
「設備を買う」「販路を広げる」「人手不足を自動化する」「賃上げの原資をつくる」──目的ごとの対応制度は、記事末尾の早見表に用途別でまとめています。まずはご自身のやりたいことに一番近い行を探してみてください。どれに当てはまるか迷う場合は、AIで自社に使える補助金を診断できるページも用意しています。
補助率は「賃金の履歴」で先に決まる
意外と見落とされがちですが、多くの補助金は賃上げや賃金水準の要件によって補助率が1/2か2/3かに分かれます。同じ2,500万円の投資でも、1/2と2/3では自己負担が約400万円変わります。しかもきちんと賃上げをしてきた会社ほど、最低賃金近傍の従業員が少なく、2/3特例の対象から外れるという逆説もあります。「2/3が使える前提」で資金繰りを組んだあとに「対象外でした」となると計画が崩れるので、申請前にまず過去の賃金台帳で自社の補助率条件を確認しておくのが実務的です。
最後に一つ。補助金を扱う立場で言うのも何ですが、補助金ありきで投資を決めるのは順序が逆です。「補助金がなくてもやるべき投資か」をまず考え、事業として現実的だと確認できたら、そこに使える補助金を後から乗せる。この順番を守るだけで、無駄な投資も不採択リスクも大きく減ります。
まず押さえたい──国の主要補助金(全国対象)
山梨県内の中小企業であっても、全国の中小企業を対象とした国の補助金にはすべて申請できます。2026年度に特に注目すべき制度を整理します。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者(従業員20人以下、商業・サービス業は5人以下)が販路開拓に取り組む際の経費を補助する制度です。広告宣伝費やウェブサイト構築費、展示会出展費用なども対象になるため、使い勝手のよさから人気の高い補助金です。
直近の第19回公募(2026年3月6日〜4月30日)は受付終了しています。次回の第20回公募は2026年11月5日(木)〜12月15日(火)17:00の受付が予定されています(事業支援計画書の発行締切は12月4日)。補助上限は通常枠で50万円、インボイス特例やポストコロナ持続的発展枠では上限250万円まで拡大されます。補助率は2/3(賃金引上げ枠の一部は3/4)です。
なお、申請には商工会・商工会議所の「事業支援計画書」が必要です。山梨県内の各商工会・商工会議所に相談のうえ、発行を受けてください。→ 山梨の事業者向けに、持続化補助金の対象・上限250万円と申請書の書き方を専用記事で詳しく解説しています。
デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)
2026年度から名称が変更され、AI導入支援が明確に重点化されました。従来の会計ソフトや受発注システムに加え、生成AI・機械学習・自動化機能を持つITツールが対象として明確化されています。2026年度の公募が順次行われています。最新の公募回・締切は公式サイトでご確認ください。
現時点で公表されている案内資料によれば、枠構成と補助額は以下の通りです(正式な公募要領の公開後に変更される場合があります)。
通常枠: 補助額5万円〜450万円、補助率1/2(最低賃金近傍の事業者は2/3)
複数社連携枠: 10社以上で連携してITツールを導入する場合、最大3,000万円
セキュリティ対策推進枠: 上限150万円
申請は引き続き「IT導入支援事業者」を通じて行います。なお、2回目以降の申請には3年間の事業計画・賃上げ計画・効果報告の義務化といった追加要件が設けられています。
なお、この補助金はカタログに登録された既製のITツール・ソフトウェアを導入する場合に適しています。自社の業務に合わせたシステムをオーダーメイドで開発・構築したい場合は、次に紹介する省力化投資補助金(一般型)の方が適しています。→ 名称変更・補助率・対象ツールの詳細はデジタル化・AI導入補助金2026の解説記事にまとめています。
中小企業省力化投資補助金
人手不足に悩む中小企業が、IoT・ロボット・AI・センサー等を活用した省力化設備やシステムを導入するための補助金です。「カタログ注文型」と「一般型」の2つの類型があり、導入したい設備の性質に応じて選択します。それぞれの詳細はカタログ注文型の対象製品・補助上限の記事と一般型・第7回の補助率と採択のコツの記事にまとめています。
カタログ注文型:手軽に導入したい場合
事務局があらかじめ省力化効果を認めてカタログに登録した製品(配膳ロボット、自動精算機、清掃ロボット等)の中から選んで導入する方式です。申請手続きが簡素で、販売事業者との共同申請で進められるため、補助金申請が初めての事業者にも取り組みやすい制度です。随時受付中で、補助上限額に達するまで複数回の申請も可能です。
補助率は1/2で、補助上限は従業員規模に応じて異なります(2026年3月19日の制度改定で受付期間の延長と上限額の見直しが行われています)。
5人以下:200万円/6〜20人:500万円/21人以上:1,000万円
大幅な賃上げ(給与支給総額+6%以上かつ事業場内最低賃金+3.0%以上)を行う場合は、それぞれ300万円/750万円/1,500万円に引き上げられます。
一般型:オーダーメイドの設備・システムを導入したい場合
カタログに掲載されていない設備や、自社の現場に合わせて設計・構築するオーダーメイドのシステム(業務プロセスの自動化、ロボットシステムの構築、DX推進のためのシステム開発等)を導入する場合はこちらです。デジタル化・AI導入補助金が「既製のITツールを選んで導入する」制度であるのに対し、省力化投資補助金(一般型)は「自社の課題に合わせて設備やシステムをつくる・組む」投資を支援する制度です。
現在、第7回公募が受付中です。公募開始は2026年6月5日、申請受付は2026年7月1日(水)10:00から2026年7月31日(金)17:00まで(Jグランツでの電子申請)。採択発表は2026年11月中旬の予定です。前回の第6回公募(2026年5月15日締切)は受付終了しています。今後も年3〜4回の公募が予定されていますが、申請にはGビズIDプライムの取得(数週間かかる場合あり)が前提になりますので、第7回を狙う場合は早めの準備をお勧めします(2026年7月時点・最新は公式サイトでご確認ください)。
補助率は1/2(小規模事業者・再生事業者は2/3)で、補助上限は従業員規模に応じて以下の通りです。
5人以下:750万円/6〜20人:1,500万円/21〜50人:3,000万円/51〜100人:5,000万円/101人以上:8,000万円
大幅賃上げ特例を適用すると、それぞれ上限が引き上げられ、最大1億円まで補助されます。
一般型は審査基準がカタログ注文型より厳格で、口頭審査(第5回から30分に延長)も実施されます。単なる既製品の購入ではなく、自社の人手不足の状況を客観的なデータで示し、投資による省力化効果を具体的に説明できる事業計画が求められます。申請にはGビズIDプライムが必須です。
ものづくり補助金
革新的な製品・サービスの開発や生産プロセスの改善に必要な設備投資を支援してきた、山梨県内では製造業を中心に利用実績の多い補助金です。単独の「ものづくり補助金」は第23次公募(申請締切2026年5月8日)で終了し、中小企業新事業進出補助金と統合されて「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に一本化されました。これから申請する方は、この新制度に出すことになります。
山梨県内でものづくり補助金の活用を検討していた製造業の方に押さえていただきたいのは、単独公募が終わっても支援の枠組み自体がなくなったわけではないという点です。旧制度で審査されていた設備投資・試作開発の内容は、新制度の「革新的新製品・サービス枠」にそのまま引き継がれています。つまり、山梨県内でものづくり補助金の後継を探している場合、申請先は実質的にこの枠になります。
新制度で旧ものづくり補助金に相当するのは「革新的新製品・サービス枠」です(補助下限100万円)。第1回公募は2026年6月29日に始まっており、申請受付は2026年8月31日〜9月30日18:00、採択発表は12月頃の予定です。補助上限は従業員規模で決まります(かっこ内は賃上げ特例適用時)。
5人以下:750万円(850万円)/6〜20人:1,000万円(1,250万円)/21〜50人:1,500万円(2,500万円)/51人以上:2,500万円(3,500万円)
補助率は1/2(小規模事業者・再生事業者は2/3。地域別最低賃金引上げ特例に該当すれば中小企業も2/3)です。
申請には引き続きGビズIDプライムが必須で、電子申請のみ・1公募につき1申請です。給与支給総額(一人当たり年平均3.5%成長)や事業場内最低賃金(地域別最低賃金+30円以上)の要件は、未達だと補助金の返還を求められる「約束」として設計されているため、数字の根拠を丁寧に組み立てる必要があります。統合後の3つの枠・要件・返還ルール・口頭審査は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の解説記事で詳しくまとめています。
→ 旧ものづくり補助金で培われた「審査で落ちない申請」のコツは新制度にもそのまま活きます。ものづくり補助金の専用記事もあわせてご覧ください。
中小企業新事業進出補助金(2025年度新設)
かつての「事業再構築補助金」の後継として2025年度に創設された、新分野進出を支援する制度です。単独制度としては第4回公募(2026年5月19日〜6月19日)が最終回となり、ものづくり補助金と統合されて「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に一本化されました。これから新分野進出で申請する方は、新制度の「新事業進出枠」が対象になります(第1回の申請受付は2026年8月31日〜9月30日18:00)。
新事業進出枠は、これまで製造・提供したことのない製品・サービスで、既存事業と異なる新市場に進出する取り組みが対象です。補助下限が750万円と、一定規模以上の投資を伴う事業転換向けである点は旧制度と同じで、建物費が補助対象になるのも特徴です。補助上限は従業員規模で決まります(かっこ内は賃上げ特例適用時)。
1〜20人:2,500万円(3,000万円)/21〜50人:4,000万円(5,000万円)/51〜100人:5,500万円(7,000万円)/101人以上:7,000万円(9,000万円)
補助率は1/2(地域別最低賃金引上げ特例に該当すれば2/3)です。付加価値額の年平均4.0%成長、一人当たり給与支給総額の年平均3.5%成長、事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上といった要件があり、未達の場合は返還ルールが適用されます。また、新事業進出枠のみ、新規設立・創業後1年未満の事業者は申請できません。
審査では書面審査に加えて口頭審査が行われる場合があり、対応できるのは申請事業者本人のみです(コンサルタント等の同席は不可)。事業計画の内容を経営者自身が自分の言葉で説明できるよう準備しておくことが重要です。3つの枠の全体像・要件・スケジュールは統合後の新制度の解説記事をご覧ください。
事業承継・M&A補助金
事業承継やM&Aに際して発生する設備投資や専門家費用を補助する制度です。15次公募が2026年6月19日〜7月24日の申請期間で受け付けられています。制度の詳細はこちらの記事で詳しく解説していますので、事業承継をお考えの方はあわせてご覧ください。
山梨県独自の補助金──県内の中小企業だけが使える制度
ここからが本記事のメインです。山梨県が独自に実施している補助金は、国の制度に比べて申請手続きがシンプルで、採択のハードルも比較的低い傾向にあります。一方で、予算の枠が限られているため、募集開始後すぐに予算上限に達して受付終了になることも珍しくありません。
省エネ・再エネ設備導入加速化事業費補助金
中小企業者等が省エネ・再エネ設備を導入する際の費用を補助する制度です。LED照明への切替えや高効率空調の導入、太陽光発電設備・蓄電池の設置などが対象になります。
令和8年度(2026年度)は第7次募集(中小企業者等分)が実施されています。申請受付期間は令和8年5月11日(月)からで、当初の6月30日(火)から7月31日(金)まで締切が延長されました(予算上限に達し次第、受付終了)。LED照明・高効率空調などの省エネ設備、太陽光発電・蓄電池などの再エネ設備が対象です。
省エネ設備: 補助率2/3以内、補助額15万円〜300万円(LED照明、高効率空調、業務用冷蔵庫等)
再エネ設備: 補助率2/3以内、補助額100万円〜600万円(太陽光発電、蓄電池等)
福祉施設・医療機関は補助率が3/4以内に引き上げられる特別措置があります。また、大月市・上野原市・南部町に事業所がある場合も補助率が3/4以内に引き上げられます。対象設備や詳細な要件は山梨県公式サイト(https://www.pref.yamanashi.jp/shouko-kik/syouene.html )で確認できます。事務局の電話番号は055-242-6260です。
「電気代が上がって厳しい」という声は県内のあらゆる業種で聞きます。この補助金は設備更新のコストを大幅に抑えられるため、検討する価値は十分にあります。
山梨県賃金アップ環境改善事業費補助金
時給30円以上の賃上げを行う中小企業が、労働環境の改善に投資した費用を県が補助する制度です。令和8年度(2026年度)は募集中で、環境改善コースの申請受付は2026年8月31日までの予定です(先着順・予算上限に達し次第終了)。
令和8年度の募集は、環境改善コース(休憩室・トイレ改修など労働環境改善の設備投資等。補助率4/5、大月市・上野原市・南部町は9/10)と、スキルアップ研修推進事業費補助金(研修費用。補助率10/10・上限30万円、環境改善コースとセットで申請)の2本立てです。過年度にあった上乗せコース・拡大コースは、今回の募集にはありません。
対象となるのは、事業場内最低賃金が山梨県の地域別最低賃金(1,052円)以上1,500円以下で、2026年3月14日〜2027年2月10日に30円以上の賃上げを行う県内中小企業です(「豊かさ共創スリーアップ実践企業」の認証が必要。申請時は取得見込みでも可)。補助上限は賃上げした人数と事業場規模で決まり、1事業場あたり最大130万円。キャリアアップ助成金の支給決定またはやまなしキャリアアップ・ユニバーシティ(CUU)の受講があれば同額が上乗せされて最大260万円、複数事業場の合計では最大1,600万円です。
注意点として、生産性向上・時間短縮が目的の設備は国の業務改善助成金の領域とされ、この補助金では対象外です。対象になるのは休憩室・トイレ・空調など「働く環境を良くする」投資に限られます。要件・上限額・対象経費の詳細は山梨県賃金アップ環境改善事業費補助金の専用記事で解説しています。値上げと賃上げをどう両立するかは、コラム「値上げしたいけど客離れが怖い」社長へでも考え方を整理しています。
中小企業等生産性向上設備整備等支援補助金
令和8年度(2026年度)に県が案内している制度で、生産性向上に資する設備投資の費用を補助します。設備の導入により、生産力・商品の付加価値・生産効率・品質の安定などが向上し、持続的な業務改善や収益力の強化につながることが要件です。
申請受付期間は令和8年5月11日(月)〜7月31日(金)です(当初の7月15日から延長。予算上限に達し次第、受付終了)。
補助率: 2/3以内(特定区域内は3/4以内)
補助上限: 設備導入300万円(最低15万円。設備1台あたり税抜22.5万円以上が条件)、会計ソフト・パソコン等15万円、税理士の新規顧問契約20万円。複数申請する場合は1事業所あたり合計335万円が上限です。
申請にあたっては、設備導入前に専門家の支援を受けていること、および「豊かさ共創スリーアップ実践企業認証」を受けている(または受ける見込みである)ことが要件です。詳細は山梨県公式サイト(https://www.pref.yamanashi.jp/shouko-kik/seisansei-up.html )およびポータルサイト(https://www.yamanashi-seisansei-up.jp/ )でご確認ください。