公開日:2026年9月26日 執筆:池田哲郎(中小企業診断士・認定経営革新等支援機関/池田計画合同会社 代表)
「取引先から、来月以降は手形ではなく振込にしてほしいと言われた」「銀行から手形帳の発行をやめると通知が来た」。この夏、こうしたご相談が急に増えました。多くの経営者の方が驚かれるのは、これが数年先の話ではなく、もう期限が目の前にあるという点です。
結論から言えば、紙の約束手形と小切手は、2027年3月31日をもって電子交換所での交換が廃止されます。そして期限を公表している金融機関の多くは、2026年9月30日を最終振出期限に設定しています。この日を過ぎて振り出された手形・小切手は、原則として当座勘定から支払いができません(一般社団法人全国銀行協会、2026年8月31日時点の公表一覧)。
私は元銀行員で、法人融資の審査に携わっていました。当座勘定を開く側、手形を割り引く側、そして不渡りの報告を受ける側にいた人間です。いまは中小企業診断士・認定経営革新等支援機関として、山梨を中心に資金繰りのご相談を受けています。その立場から正直に書くと、今回の変更でいちばん見落とされているのは「支払手段が変わる」ことではありません。手形割引という資金調達の手段が、静かに一つ消えることです。ここに手当てをしないまま10月を迎える会社が、まだあります。
この記事では、公的な一次資料だけを使って、①何がいつ決まったのか ②自社の銀行の期限はいつか ③2026年1月に施行された取適法との関係 ④でんさいに替える際の落とし穴 ⑤手形割引の代わりに何を用意するか、を順に整理します。
約束手形の廃止とは、正確には何が決まったのか?
最初に、よくある誤解をほどいておきます。「2027年3月末で手形が法律で禁止される」という説明を見かけますが、これは正確ではありません。
決まったのは、電子交換所における手形・小切手の交換を廃止することです。全国銀行協会は2025年3月26日に、この方針を決定したと公表しています。背景には、銀行界の「手形・小切手機能の全面的な電子化に向けた自主行動計画」で掲げた「2026年度末までに電子交換所における手形・小切手の交換枚数をゼロにする」という最終目標があります。
ここで、全国銀行協会が同じ公表文に付けた注記が重要です。原文をそのまま引きます。
2027年度初から手形・小切手が使用できなくなるものではありません。ただし、2027年度初からは電子交換所を介さない決済となることから、各金融機関において郵送等による相対決済(個別取立等)を行う必要があるため、金融機関の判断により、手形・小切手の取扱い等が変更となる可能性があります。
つまり、手形という制度そのものが法律で廃止されるわけではありません。手形法は残ります。なくなるのは、全国の銀行が手形を持ち寄って一括で決済する仕組みです。決済インフラが消えるため、制度としては残るが実務としては使えなくなっていく、というのが正確な理解になります。
この線引きは、取引先との交渉で意外に効きます。「法律で禁止されたから」と説明すると、根拠を示せと言われたときに詰まります。「取引銀行が当座からの支払いを受け付けなくなるから」であれば、金融機関の通知そのものが根拠になります。
なお、混同されやすい別の事実があります。かつて各地にあった物理的な手形交換所は、すでに廃止されて電子交換所に移行しています。電子交換所は全国銀行協会が設置・運営する手形交換所で、手形・小切手のイメージデータを金融機関間で送受信して決済する仕組みです。今回の決定は、その電子交換所そのものを終わらせるという二段目の話です。
自社の取引銀行は、いつが最終振出期限なのか?
ここが実務でいちばん急ぐところです。廃止の期限は2027年3月末ですが、そこまで手形を振り出せるわけではありません。
全国銀行協会は「金融機関における手形・小切手の最終振出期限一覧」をPDFとExcelで公開しています。2026年8月31日時点の一覧には923の金融機関が載っており、そのうち期限を公表済みの545先を数えると、445先が2026年9月30日を最終振出期限に設定していました。みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行の3行も同日です。
山梨県内に本店を置く金融機関を、同じ一覧から拾うと次のとおりです(本店所在地は各金融機関の公表情報で確認しました)。
| 金融機関(統一金融機関番号) | 手形・小切手の最終振出期限 |
| 山梨中央銀行(0142) | 2026年9月30日 |
| 甲府信用金庫(1385) | 2026年9月30日 |
| 山梨信用金庫(1386) | 2026年9月30日 |
| 山梨県民信用組合(2377) | 2026年9月30日 |
| 都留信用組合(2378) | 2026年9月30日 |
| 山梨みらい農業協同組合(5207) | 2026年9月30日 |
出典は全国銀行協会「金融機関における手形・小切手の最終振出期限一覧」(2026年8月31日時点)です。県内に本店を置く銀行・信用金庫・信用組合・農協は、いずれも横並びで9月30日でした。山梨で手形を振り出している会社は、2026年10月1日以降は原則として振り出せませんと考えて動くのが実務的です。
ただし注意点が二つあります。一つは、この一覧は各金融機関からの報告にもとづくもので、公表と同時に反映されるわけではないと協会自身が断っていることです。もう一つは、期限が9月30日ではない金融機関も実際にあることです。同じ一覧では2027年1月31日が32先、2026年12月30日が19先、2027年3月31日が13先ありました。自社の取引銀行の期限は、必ず取引店に直接確認してください。
受け取る側にも実害があります。最終振出期限を過ぎて振り出された手形を受け取ってしまうと、当座勘定から支払いができないため、資金化できない可能性があります。10月以降に手形を差し出された場合は、その場で受け取らずに支払方法を確認する。これが今いちばん優先度の高い社内ルールです。
なぜ紙の手形はなくなることになったのか?
理由は大きく二つあります。政府の方針と、実際に減らなかったという事実です。
政府方針としては、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」(内閣官房)に「約束手形・小切手の利用廃止に向けたフォローアップを行う」と書かれています。これを受けて産業界と金融界が連携して取り組んできました。
ところが進みませんでした。全国銀行協会の2025年3月26日の公表によれば、電子交換所における手形・小切手の年間交換枚数は2024年時点で1,967万枚。同年の削減枚数は目標822万枚に対して61%の501万枚にとどまりました。中間評価は「一定の成果は見られるが、これまでの取組みだけでは目標の達成は困難」というものでした。
そこで打たれたのが、交換所自体を廃止するという一段強い手です。あわせて電子交換所システムの更改を行わないことも決まりました(システムの保守期限は2029年6月、延長は2031年6月まで可能)。設備を更新しないと決めた以上、後戻りは想定されていません。
もう一つ、なぜ手形が問題視されたのかという点も押さえておきたいところです。私が現場で見てきた実感で言うと、手形は受け取る側の資金繰りを一方的に長くする道具でした。ある部品加工の製造業では、翌月検収のあと60日手形で、入金は実質3ヶ月後。装置を伴う案件では、動作確認まで含めて8ヶ月後になることもありました。材料費と加工費は先に出ていきますから、銀行から借りて払い、入金で返す循環になります。入金があった月には、もうほとんど残りません。手形をやめるという政策は、この構造を変えるためのものです。
2026年1月の取適法で、手形払いはどう扱われることになったのか?
ここは誤解が多く、しかも誤解すると向きを間違えるところなので、丁寧に書きます。
2026年1月1日に、従来の下請法が改正され、中小受託取引適正化法(通称・取適法)として施行されました。主な改正事項の一つが「手形払等の禁止」です。中小企業庁の説明資料は、改正内容をこう書いています。
中小受託事業者の保護のためには、今般の指導基準の変更を一段進め、本法上の支払手段として、手形払を認めないこととする。
大事なのは、これは発注する側(委託事業者)にかかる規制であるという点です。自社が手形で支払えなくなるのか、それとも取引先が手形で払えなくなるのかで、やるべきことが正反対になります。取適法が適用されるかどうかは、①取引の内容 ②規模要件、の両方で決まります。
| 取引の内容 | 委託する側(規制を受ける) | 受託する側(保護される) |
| 製造委託・修理委託・情報成果物作成委託(プログラム)・役務提供委託(運送・倉庫保管・情報処理) | 資本金3億円超/または資本金1千万円超3億円以下/または常時使用する従業員300人超 | 資本金3億円以下(個人含む)/資本金1千万円以下(個人含む)/従業員300人以下(個人含む) |
| 情報成果物作成委託(プログラム除く)・役務提供委託(運送・倉庫保管・情報処理を除く) | 資本金5千万円超/または資本金1千万円超5千万円以下/または常時使用する従業員100人超 | 資本金5千万円以下(個人含む)/資本金1千万円以下(個人含む)/従業員100人以下(個人含む) |
出典は中小企業庁「2026年1月施行!下請法は取適法へ 改正ポイント説明会」資料(2026年1月1日施行)です。今回の改正で従業員基準が新設された点は見落とされがちです。資本金基準と従業員基準の両方を満たす場合は資本金基準が適用される、という運用も同資料に明記されています。
山梨の会社からよく受ける質問は「うちは資本金1,500万円の小さな会社だから関係ないですよね」というものです。関係ある場合があります。製造委託をしていて、相手が資本金1千万円以下の会社や個人事業主であれば、資本金1千万円超3億円以下の自社は委託事業者に当たります。受け取る側だと思っていた会社が、別の取引では規制を受ける側になっている。この二面性を先に確認してください。
違反した場合の扱いも整理しておきます。手形払いは「支払遅延」に該当するものとされ、公正取引委員会の指導・勧告の対象になります。改正前から続いていた手形サイトの取扱いも押さえておくと、流れが見えます。公正取引委員会は令和6年11月1日以降、サイトが60日を超える手形等を交付した場合は下請法上の「割引困難な手形の交付」に該当するおそれがあるとして指導する方針を示していました。60日ルールは罰則ではなく指導基準でした。それを「一段進めて」手形払いそのものを認めないことにしたのが、今回の取適法です。
支払サイトへの影響は具体的です。中小企業庁の資料は、改正前後をこう図示しています。従来は支払期日までの期間60日に手形サイト60日が乗って、現金を受け取るまで120日。改正法では支払期日までの60日だけになり、現金受領までの期間が60日に半減します。
建設業は、取適法の対象になるのか?
なりません。中小企業庁の同じ資料に明記されています。
取適法では、建設業法に規定される建設業を営む者が業として請け負う建設工事は対象とならない。これは、建設工事の下請負については、建設業法において取適法と類似の規定が置かれており、請負契約の適正化等が別途図られているため。
では建設業法で手形払いが禁止されているのか。ここも正確に書きます。禁止されているのは手形払いそのものではありません。建設業法第24条の6第3項は、特定建設業者が注文者となった下請契約について、一般の金融機関による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付してはならないと定めています。禁止の対象は「割引困難な手形」です。
あわせて同条第1項は、特定建設業者が注文者となった下請契約の支払期日を、申出の日から起算して50日を経過する日以前で、かつできる限り短い期間内に定めなければならないとしています。取適法の60日ではなく50日である点に注意してください。支払わなかった場合は遅延利息の規定(同条第4項)もあります。建設業の資金繰りについては建設業の資金繰りが厳しい理由と改善策で別途整理しています。
でんさいに替えれば、それで対応は終わるのか?
終わりません。ここが2026年からの新しい論点です。
代替手段として案内されるのは、でんさい(電子記録債権)とインターネットバンキングによる振込です。全国銀行協会も、でんさい等の電子記録債権や振込への切替えを呼びかけています。でんさいの利用は2019年から5年間で約2.5倍に増えました。
ただし、取適法は電子記録債権についても条件を付けました。中小企業庁の資料は「電子記録債権やファクタリングについても、支払期日までに代金に相当する金銭(手数料等を含む満額)を得ることが困難であるものについては認めないこととする」としています。運用基準の判定は満期日と支払期日の前後関係で決まります。
| でんさい・一括決済方式の満期日 | 取適法上の取扱い |
| 支払期日以前に到来する | 利用は認められる。ただし満期日までに支払不能等が生じて金銭と引き換えられない場合は「代金を支払わない」ことに該当 |
| 支払期日より後に到来する | 原則として認められない。割引料を委託事業者が上乗せ負担しても、受託側が自ら割引を受ける必要があるなら満額受領とは認められない |
手数料の負担も論点です。同資料は、発生記録手数料・譲渡記録手数料・受取手数料・割引手数料などを受託側に負担させると支払遅延に該当するとしています。紙をでんさいに置き換えただけでは、条件が同じなら同じ問題が残るということです。
実務に落とすと、確認すべきは次の3点になります。
- でんさいの満期日が、契約で定めた支払期日以前に来る設計になっているか
- 発生記録・譲渡記録・受取などの手数料を、どちらが負担する取り決めになっているか
- 取引先がでんさいネットに参加しているか(参加していなければ振込に切り替えるしかない)
手形割引がなくなったら、運転資金は何で回すのか?
ここが、今回の変更でいちばん手当てが遅れている論点です。そして私が元銀行員として、いちばん強くお伝えしたいところです。
受取手形には、支払期日を待つ以外の使い道が二つありました。銀行に持ち込んで期日前に現金化する手形割引と、そのまま仕入先への支払いに回す裏書譲渡です。紙の手形がなくなると、この二つが同時に使えなくなります。
先に挙げた部品加工の製造業のような会社では、これは資金繰りの構造そのものの変更になります。入金が3ヶ月後でも、受取手形を割り引けば手元資金は作れました。割引ができなくなれば、同じ資金を別の方法で用意しなければなりません。
整理すると、置き換えの選択肢はこうなります。
| なくなるもの | 置き換えの候補 | 検討のポイント |
| 手形割引(期日前の現金化) | 当座貸越枠、短期の手形貸付、でんさいの割引 | 枠の設定には審査が必要。期限が来てから相談すると間に合わない |
| 裏書譲渡(仕入先への支払いに充当) | 振込に変更し、その分の運転資金を借入で確保 | 手形で回していた金額が、そのまま必要資金として表に出る |
| 支払手形による支払猶予 | 支払サイトの再交渉、または運転資金の借入 | 支払いが前倒しになる分だけ、恒常的に資金が必要になる |
金額の見当をつける方法があります。自社の直近の決算書で、資産側の受取手形と負債側の支払手形を見てください。支払手形の残高は、これまで手形によって支払いを先送りしていた金額です。手形が使えなくなれば、その分だけ手元資金が前倒しで必要になります。受取手形の残高は、割引によって早期化できていた金額の上限です。この二つの差が、今回の変更で新たに必要になる運転資金のおおよその規模になります。
経常運転資金の考え方そのものは運転資金の計算方法で詳しく書いています。手形貸付や当座貸越が、なぜ経常運転資金に向いた借り方なのかもそこで整理しました。月ごとの資金の動きを可視化する手順は資金繰り表の作り方にエクセルのテンプレート付きでまとめています。手形の入金は受取日ではなく満期日で計上する。この一点を間違えると、資金繰り表が実態より2〜3ヶ月ぶん楽に見えます。
銀行に枠の相談をするタイミングについて、正直に申し上げます。10月に入ってから「手形が使えなくなったので枠をください」と持ち込むのは、もっとも不利な頼み方です。資金が足りなくなってからの申込みは、銀行側から見れば業況悪化と区別がつきません。まだ手形が回っているうちに、制度変更への対応として相談する。同じ内容でも、受け取られ方がまったく違います。銀行が会社をどう区分して見ているかについては債務者区分とはで解説しました。
自社にどれだけの運転資金が新たに必要になるのか、決算書の受取手形・支払手形の残高から見当をつけるところまでは、そう手間のかかる作業ではありません。どの枠で、いつ相談するかまで含めて整理したい場合は、決算書をお持ちいただいて初回無料の経営相談でご一緒に確認します。融資を審査する側にいた目で、銀行にどう説明すれば通りやすいかも含めてお話しします。
受取手形がある会社は、いま何を確認すればよいのか?
期限が迫っているので、優先順位をつけて並べます。上から順に手をつけてください。
- 取引銀行の最終振出期限を確認する。全国銀行協会の一覧で当たりをつけ、取引店に確認します。山梨県内の主要な金融機関は2026年9月30日でした。
- 10月以降に手形を受け取らないルールを社内で共有する。最終振出期限を過ぎて振り出された手形は資金化できない可能性があります。受け取る担当者にまで伝わっているかが要点です。
- すでに手元にある受取手形の満期日を一覧にする。満期日が2027年3月31日を越えるものは、取立ができるか取引店に確認が必要です。
- 支払手形を振り出している場合は、支払先と支払方法を合意する。振込かでんさいか、手数料をどちらが負担するかまで決めます。
- 手形割引・裏書譲渡で回していた金額を洗い出し、借入枠の相談をする。枠の設定には審査期間が必要です。
- 自社が取適法の委託事業者に当たるかを確認する。製造委託・修理委託などをしていて規模要件に当たる場合は、支払手段そのものを見直します。
もう一つ、業種によって影響の出方が違うことも申し添えます。ある工芸品の製造卸では、デパート経由の売上は入金まで3〜6ヶ月かかっていました。以前は手形でさらに長かったそうです。こういう商売では、手形がなくなることは資金繰りにとって追い風になります。逆に、支払手形を多く振り出して仕入を回してきた会社には向かい風です。自社がどちら側なのかを先に決めてから、対策を選ぶのが順番として正しいと思います。
よくある質問
すでに受け取った手形が、2027年4月以降に満期を迎える場合はどうなりますか?
取引金融機関に取立が可能か確認してください。全国銀行協会は、2027年度初からは電子交換所を介さない決済となり、各金融機関が郵送等による相対決済(個別取立等)を行う必要があるため、金融機関の判断により取扱いが変更となる可能性があるとしています。加えて、2027年4月以降を期日とする手形等の代金取立受付を前倒しで終了する金融機関もあると案内されています。満期日が2027年4月以降になる手形は、受け取る前に確認するのが安全です。
小切手も同じ期限で使えなくなるのですか?
はい。今回の交換廃止は手形と小切手の両方が対象です。全国銀行協会の最終振出期限一覧も「手形・小切手の最終振出期限」として一本で示されています。小切手の代わりは、インターネットバンキングによる振込が基本になります。
でんさいを使うには何が必要ですか。取引先も参加していないと使えないのでしょうか?
でんさいは、支払う側と受け取る側の双方がでんさいネットに参加している必要があります。利用の申込みは取引金融機関を通じて行います。取引先が参加していない場合は、でんさいではなく振込に切り替えることになります。取引先ごとに参加状況が違うため、支払方法は取引先単位で決めていく形になります。
手形をやめると、印紙税の負担はどうなりますか?
約束手形は印紙税法上の課税文書で、記載金額に応じた収入印紙が必要です。電子記録債権による支払いは紙の文書を作成しないため、この印紙税は生じません。具体的な税額や取扱いは記載金額によって変わりますので、国税庁の印紙税額一覧表または顧問税理士にご確認ください。
取引先から「手形をやめる代わりに支払サイトを延ばしてほしい」と言われました。応じるべきでしょうか?
取引の内容と規模要件によっては、それ自体が取適法上の問題になり得ます。取適法の対象となる取引では、支払期日は受領日から起算して60日以内に定める義務があり、あわせて協議に応じない一方的な代金決定も禁止されました。まずは自社と相手方が取適法の適用関係にあるかを確認してください。対象外の取引であっても、サイト延長は自社の資金繰りに直接響きます。応じる前に、資金繰り表で何ヶ月目にどれだけ不足が出るかを試算してから判断されることをおすすめします。
この記事を書いた人:池田哲郎(中小企業診断士・認定経営革新等支援機関/池田計画合同会社 代表)。元・八十二銀行で法人融資の審査を担当。山梨県事業承継・引継ぎ支援センターでの経験を経て、現在は山梨県内の中小企業・小規模事業者の資金調達、補助金申請、経営改善を支援しています。手形からの切替えに伴う運転資金の見直しについては、初回無料のご相談をご利用ください。
本記事の制度内容は2026年9月26日時点の公的な一次資料にもとづいています。最終振出期限は各金融機関が順次公表・更新しているため、実際のお手続きの前に取引金融機関および下記の一次資料でご確認ください。
- 一般社団法人全国銀行協会「電子交換所」(金融機関における手形・小切手の最終振出期限一覧・2026年8月31日時点)
- 一般社団法人全国銀行協会「手形・小切手の電子化に関する中間的な評価を踏まえた抜本的な取組み等について」(2025年3月26日)
- 一般社団法人全国銀行協会 特設サイト「紙の手形・小切手 利用廃止へ」
- 中小企業庁「2026年1月施行!下請法は取適法へ 改正ポイント説明会」資料
- 公正取引委員会「手形等のサイトの短縮について」(令和6年10月1日)
- 建設業法第24条の6(e-Gov法令検索)
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